アメリカの核先制不使用に反対した日本

 オバマ米大統領が核兵器の先制不使用の宣言をする検討をしているのに対して、政府高官や日本を含む諸外国から「反対」の声がでているというニュースが米国発で報じられている。オバマ大統領は非核に努力しているような印象があるが、じつは核兵器の開発にかつてなく積極的である。1兆ドル(100兆円)をつぎこんで核兵器の刷新をはかり、小型核も開発している。核戦争の危機は冷戦時代よりも高まっているという見方もある。小型であろうが、いったん核兵器使用がなされたら際限なき応酬になるのは明らかだ。

 いうまでもなく核戦争は人類の破滅を意味する
 
 アメリカは広島・長崎の原爆投下によって戦後世界の覇者としての地位を得た。しかし侵略戦争による破壊と略奪を繰り返すうち、強かったはずの経済も、売りだったはずの民主主義もいちじるしく衰退し、いまや、もはや頼るものが核しかなくなったのかと思わせる哀れな姿となった。そして「核」の被害者でありながら、さらに核にすがろうとする日本の政治はさらに惨めである。

 カウンターパンチに掲載された記事を紹介したい。

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The Pro-Nuclear War Party
Posted By David Swanson

http://www.counterpunch.org/2016/08/15/the-pro-nuclear-war-party/

(一部省略、意訳した部分があります。まちがいがある可能性があります)

「核戦争好きたちの宴」

デヴィッド=スワンソン

 ウオールストリートジャーナルによれば、次の人や国家は、アメリカが核戦争を引き起こすことを願っているという。ーージョン=ケリー国務長官、アッシュ=カーター国防長官、アーネスト=モニスエネルギー長官、連合王国(イギリス)、フランス、日本、韓国、ドイツ。

 もし上の人物や国家が、記事が名誉毀損であると証明することができたなら、その毀損の度合いは巨大であろう。

 マードック氏(アメリカの新聞王)の新聞(WSJ)はこう報じている。

 ホワイトハウスは、核兵器の先制使用をしない宣言を行う検討にはいったが、上に紹介した人たちや国家が反対している。核戦争開始可能な政策をアメリカはもつべきだと彼らは強く訴える。

(アメリカは核先制使用政策をとるべきだとする意見について)連合王国やフランスや日本、韓国、ドイツの人たち、またアメリカの人たちは賛成しているのだろうか。投票といった手続きによって示された意思を反映しているのだろうか。もちろんそうではない。しかし私たちは、せいぜい「アメリカが核戦争をはじめるときは民主主義の名のもとに行うと公言すること」と修正することくらいしかない。

 ケリー国務長官やカーター国防長官は精神科医の診断を受けたことがあるのだろうか。ケリーはかつて先制不使用に賛成していたはずだ。

 重要なのは、彼らが憎悪や偏屈な精神をもって核戦争をはじめるかどうか。もし彼らの核戦争が愛と忍耐と多文化によるものならば、われわれが心配すべきは、典型的な家族を殺したがっているトランプ候補の度し難い悪魔性ということになる。

 トランプの悪魔性を非難しているのではない。アメリカ合州国というのは、その出現以来ずっと、家族を殺すことを政策としてつづけてきたのだ。核戦争と核の冬、核の飢餓が地球をおそえば、あらゆる形の家族が傷つくだろう。

 地球上で、核兵器をもたない国々が核兵器廃絶条約をめざして活動してきた。この力強く健全な提案の影響があって、核戦争という大惨事の第一歩に自分たちはならないとする宣言をホワイトハウスにさせたのだろう。

 しかし、暴利をむさぼる者たちの論理は見え透いている。先制使用はしないと宣言する一方で、ホワイトハウスはより小さく使用可能性のある核兵器の製造に1兆ドルをすてる計画を進めている。もしアメリカが核の先制使用をしないというのなら先制使用は世界普遍のものとなる。ほかの核保有国はすでに先制使用しないことを決めている。そして誰も核を永遠に使わなくなり、23世紀のある時点で、そんなものに底なしの金を使うのは無駄だという官僚的な意見がでるだろう。

 そうなるとどうなるのか。

 心配することはない。ウオールストリートジャーナルや大志を抱く政治家たちはちゃんと説明している。

「任期をわずかにのこしたこの時期になされたオバマの決断によって、(先制使用をめぐる)議論が引き起こされるだろう。そして大統領選のなかでも議論になるだろう」

 ヒラリーが先制使用に反対だというのならオバマもそうであるはずだ。しかしヒラリーはちがう。共和党の候補も同じである。

 大統領選のディベートがはじまれば、このテーマもほかの問題とともにとりあげられるだろう。そしてオバマは、人間性を完全に失ったほかの連中たちと同じような立場に自分が立っていることに気がつくだろう。

投稿者: miyakatu

ジャーナリスト

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