「阿佐ヶ谷地域区民センター」を杉並区が東電に無償で明け渡す不可解


 杉並第1小学校(阿佐ヶ谷北)を複合施設(地上4階+屋上運動場案と地上8階+地上運動場案)に建て替える計画は、保護者の間からも疑問が噴出している。23日に同校で開催された保護者対象の説明会では、「耐震工事をしたばかりなのになぜ建て替える必要があるのか」「なぜ複合施設なのか」といった疑問が次々にだされた。区側は「老朽化」「補修に費用がかかる。コスト面から判断した」などと説明した。しかし、ぬぐいがたい疑問は残る。

setumei

 老朽化は事実としても、耐震性に問題がないことはすでに明らかになっている。また、コストについては、閉会後、本誌記者が学校整備担当部長をただしたところ、具体的なコスト計算を行っていないと答えた。説明会では、区営阿佐ヶ谷地域区民センター(阿佐ヶ谷南)を現在地(阿佐ヶ谷南)から杉一の複合施設に引っ越しする理由として、東京電力から借りている現在の同地域区民センターを退去する必要がある旨地域課長が説明した。

taisin

 しかし、これも閉会後同課長に質問したところ、同地域区民センターの貸し主である東京電力から退去の要求がだされた事実はないむね明言した。

 地域課長の説明によれば、現在の阿佐ヶ谷地域区民センターは、土地が民間の所有で、建物は東京電力の所有となっている。そして杉並区は東京電力から「建物賃貸借契約」によって建物を賃借しているという関係にある。情報公開請求で確認したところでは、賃料は月額539万9800円。借りている物件をなぜ出て行かねばならないのか。地域課長によれば、「老朽化が進んでいるため東京電力にたいして建て替えてほしいと要望したが断られた。そう聞いている」というのが退去の理由だという。

keiyaku
keiyaku2

 ところが、これが事実とすれば奇妙というほかない。借主である杉並区が大家にあたる東京電力に「建物が古いから新築してくれ」などということ自体、常識ではありえない話だ。耐震に問題があったり不具合があれば東京電力に補修義務がある。もし、東京電力が「建物を明け渡してほしい」といってくれば、当然借主の権利として退去費用を要求できる。そもそも東京電力の土地ではなく、東電も地主から借りているのだから、東電から杉並区に対して出て行ってくれということは、地主が再開発したいなどといった事情がないかぎりあり得ない。

 もっとも月額500万円の賃料がもったいないという判断もありえる。しかし、複合施設にいくらかかるかもわからないといっている。コスト計算も前述したとおりしていない。

 杉並区は大家の東電から「出て行ってほしい」といわれるまで現在の阿佐ヶ谷地域区民センターを使うことができる。わざわざ出ていかねばならない理由はないし、自ら出ていく利点はなにもない。

「老朽化」を口実に退去費用ゼロで賃借物件を出ていき、「あたらしい場所が必要だ」といって何十億円かかるかわからない建物を狭い小学校のなかに建てようとする。不可解というほかない。

 読者からの情報提供をお待ちする。

 

 

投稿者: miyakatu

ジャーナリスト

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください