「桃2小学校を建て替えてほしい」――地元町内会の「要望書」は杉並区の“やらせ”だった?


 2004年に約30億円をかけて建設したばかりの杉並区営施設「あんさんぶる荻窪」(杉並区荻窪)を財務省に税務署用として譲渡、対価として現在の荻窪税務署の用地を受け取ったうえで、あらたに30億円をかけて複合施設を建設。同時に「あんさんぶる」内にある児童館が使えなくなることの取り繕いとして、区立桃2小学校の校舎を30億円をかけて建て替えて「学童クラブ」をつくる。--いきあたりばったりの税金垂れ流し計画というほかない「財産交換問題」をめぐって周辺住民からは強い反対の声があがっている。23日に開かれた住民集会には100人以上(注・訂正しました)がつめかけ、計画撤回を求める意見があいついだ。

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 「あんさんぶる荻窪」は子どもの教育環境を向上させようという意見を中心に、住民らが長年の議論を経て練り上げた思い入れのある建物だ。それを築10年ほどで税務署に明け渡すことに、子育て中の親をはじめとする周辺住民は強い違和感を感じている。

 なぜ「あんさんぶる」を手放さねばならないのか。杉並区の説明は「特養施設を緊急につくる必要がある」である。しかし、この説明は説得力を失いつつある。「財産交換」計画が公表される3年前の2010年に、じつは財務省にあてて田中区長が「税務署の建て替えを待ってほしい旨要望していた事実が発覚したのだ。

201012杉並区長発文書 001

 この要望文書について本誌記者が区企画課に問い合わせたところ、おどろいたことに「廃棄した」と説明した。さらには「どんな要望だったか内容もわからない」とも説明をした。奇妙というほかない反応で、じつは「特養」は口実にすぎず、都合の悪いことを隠しているのではないかと疑わざるを得なくなった。

 荻窪駅北側に複合ビルを建てて税務署に入居してもらう腹づもりで財務省に対して税務署建替えに待ったをかけたものの、じっさいにやろうとするととん挫した。ひっこみがつかなくなってあんさんぶる荻窪を財務省に提供し、現在の税務署の場所にあんさんぶるを引っ越しさせ、ついでに残りの土地に「特養」を民間でつくらせるという強引な案をひねり出したのではないか。――というのが事情通のもっぱらの見かただ。

 さて、日ましにうさんくささが増す「あんさんぶる」問題だが、あらたに重大な疑問がでてきた。〈桃井第2小学校の早期改築」に関する要望書〉という文書が、荻窪駅周辺7町内会会長の連名によって2014年7月26日付で杉並区に提出されているのだが(のちに一部取り下げ)、町内会関係者によればこの要望書は杉並区が作成し、町内会長を回覧して会長のハンコを集めた代物だったというのだ。
 
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 当時町内会長だった男性は、「文書が回覧されてきたので、校舎があたらしくなるならいいだろうとハンコをついた。区が作った文書だった。よく読むとあんさんぶる荻窪の財産交換(財務省への譲渡)に伴う話だったので、これはいけないと町内会にはかり、要望を撤回した」と話した。

 桃2小学校を建て替えてほしいと地元の要望があるかのように工作をしたとすれば、文字どおり「やらせ」である。「5つ星の区役所」どころではない。うそつきの区役所である。

 追って杉並区の見解を取材し、報告したい。

投稿者: miyakatu

ジャーナリスト

「「桃2小学校を建て替えてほしい」――地元町内会の「要望書」は杉並区の“やらせ”だった?」への1件のフィードバック

  1. 「5つ星の区役所」なる言葉を初めて耳にしました。
    これはフランスのタイヤメーカーのミシュランの飲食店の評価の真似なのですか。そもそも誰がこんな「五つ星」なんて自己評価したのですか。違和感感じます。

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