杉並区の税金で前宣伝したラッキーな朝日健太郎候補(自民)、区民が望まないビーチバレーコートと「杉並区議会スポーツ振興議員連盟」

 杉並中の公園をつぶして保育所をつくるという乱暴な計画を強引に進めるなかで、突然のように「ビーチバレーコート」新設計画が浮上、区民の間に疑問の声が出ている。区営永福体育館を、廃校(2013年4月)になった永福南小学校の体育館に移設・改修、同時に校舎を解体して国際規格の「ビーチバレーコート」をつくるという計画だ。東京五輪招致が決まる半年前の2014年3月に立案された。スポーツ振興課によると、2014年度に設計費用2000万円あまり、2016年度予算で工事費4億6000万円が議会承認されている。さらに別の筋によれば、17年度には8億円以上の予算も計上される見通しだという。

 どういう内容の施設なのかは現在のところ明らかにされていない。

 公園がなくなるという悲鳴をよそに、なぜビーチバレーコートなのか。すくなくとも地元住民からそんなものを望む声は聞かれない。同課に尋ねたところ、唯一の形になった「民意」は「議員連盟」による要望だった。自民党・公明党など26議員(2014年3月当時)からなる杉並区議会スポーツ振興議員連盟(会長・富本卓自民党区議)が、14年3月26日付で区長あてに「要望書」を出している。

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「…杉並区は開催都市の一翼を担う自治体として、東京オリンピック成功に向け様々な取組を強化していく必要があると考えます」

 などとしたうえで、区内に東京オリンピックにおける練習用ビーチバレーコートを作るよう求めている。練習場所が足らないのかというと、そういうわけでもなさそうだ。こうつづく。

 「杉並区には国際基準を満たした体育施設は見当たらず、現状では各国のナショナルチームの練習会場に選ばれる可能性もありません。このままオリンピック開催を迎えることは、区民にとって残念なことであります」

 つまり、東京五輪の会場や練習場になり得る施設が杉並区にないのは残念だから、とりあえずつくってみよう、という話らしい。

 そして、この議員有志による「要望書」を、公式に確認し得る唯一の「民意」として、前述の計画が急に決まった。スポーツ振興課によれば、砂はオーストラリアなど外国産のものを運んで入れるという。砂代だけで3000万円を見積もっているらしい。

 しかも、五輪の練習会場に採用されるかどうかは完成後でないとわからないというのだからいい加減なものだ。

 かつて隣接する村同士が豪華なハコモノを競ってつくるのがはやったが、そんな姿を彷彿とさせる貧困な発想だ。時代遅れもはなはだしい。自民党も公明党も、その政治的発想は時代から遠く取り残されている。使える施設をどんどん壊して新しい建物を作ればいい、どんなに無駄が出てゴミが出ようとも構わないという考えは、もはや旧時代のものだ。

 ところで、要望書にはある人物の名前が出てくる。朝日健太郎氏だ。ロンドン五輪のビーチバレー選手だ。要望書は、朝日氏についてこう述べている。

 「元ロンドンオリンピック日本代表選手で、現東京都ビーチバレー連盟会長の朝日健太郎氏が区内に在住し、バックアップ体制が期待できる。また、連盟との連携を図ることで、より強力な体制を構築することが可能である」

 要は区内に元五輪選手がいるので、そのコネをつかって練習場を誘致しようというわけだ。

 練習場を誘致することがどれほど区民への利益につながるのか、じつに疑わしいと筆者は思う。

 その朝日氏が杉並区の公式行事に登場したのは、この「要望書」の半年前、東京開催が決定した直後、2015年9月23日だった。「2020年オリンピック・パラリンピック東京開催決定祝賀イベント」という教育委員会主催のイベントが勤労者福祉会館で開かれ、シンポジウムの発言者として招かれた。ほかに元水泳選手の長崎宏子氏、早稲田大教授の間野義之氏、田中良区長が参加した。

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 そして翌2015年1月から「チャレンジアスリート」と題する子ども向けのイベントがはじまる。そこでも朝日氏が講師として参加。ほかにバドミントンの大束忠司氏、陸上選手の堀籠佳宏氏が講師をつとめた。予算は339万7860円。

 2016年も同じイベントが開かれたが、講師3人のうち2人は別の種目の別の選手に変わった(卓球:松下浩二氏、体操。中野大輔氏)に対して、朝日氏だけは2年つづけて講師となった。予算は333万1571円(うち80万1476円は都の補助金「スポーツ振興等事業費補助金」)

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 イベント開催にあたっては全区の子どもたちや親に、朝日健太郎氏の写真と名前は3度にわたって広報された。そして7月の選挙に自民党から立候補した。朝日氏を杉並区に紹介したスポーツ議連、とくに自民党議員たちが、朝日氏の立候補を知っていたのかどうかはわからない。
 
 たしかなことは、杉並区の税金で朝日氏をイベントに紹介したことが、彼の選挙にとってきわめて有利に働いたという事実である。そして自民党の区議たちが選挙応援を行っているという事実である。

 朝日氏ばかりがやけに優遇されているようにみえるが、という疑問に対してスポーツ振興課は、「教え方がうまかったから」などと説明したが、どのような評価をして講師を選んだのか、具体的な手順については明言できなかった。「選挙に出ることも知らなかった」とも述べた。
 

投稿者: miyakatu

ジャーナリスト

「杉並区の税金で前宣伝したラッキーな朝日健太郎候補(自民)、区民が望まないビーチバレーコートと「杉並区議会スポーツ振興議員連盟」」への9件のフィードバック

  1. 朝日ケンタロウ氏の利益誘導です。彼は、あきらかに、自らが運営するビーチ振興会という団体が完成後の施設指定管理者におさまるようにシナリオを作り、周辺の根回しをやり終え、国会議員になった暁には、大手を振って、ビーチスポーツ振興を大義に振る舞うことでしょう。

  2. ひどい話ですね。ビーチコートなんていりません。待機児童が非常事態だと宣言したなら、3000人以上も東原公園は反対が出てるのに、聞く耳もたず推し進める気らしい。
    この永福南小学校跡地をそのまま使ってまずは保育園にしてほしい。

    子供たちも多く反対している公園に保育園を作る問題。
    絶対におかしい。

  3. 東京都で模範的な区政の代表である杉並区は、もっとしっかりしてもらわないといけません。
    朝日ケンタロウ氏が言う「オリンピックの練習コート」は大会会場の潮風公園に10コートも設営され、「外国人チームの事前キャンプ」は既に多くの自治体が積極的に誘致活動を始めていることから、立地条件を満たさない永福では100パーセント有り得ません。

  4. 杉並区にご在住、ご在勤の方々はご注意下さい。朝日ケンタロウ氏の小学校跡地にビーチバレーボールコートを設置する活動は、何ら2020東京五輪には一切結びつかない、杉並区民の利益にも決して資さない、全ては彼のNPO法人存続のための利益誘導だけですから。オリンピックとの関係はバレーボール協会に問い合わせたら明らかです。
    これは、スポーツ振興を隠れ蓑にした、明らかな犯罪です。

  5. バカな考え。こんな議員がいるとは、日本は落ちたもんです。
    そして、この人を選んだ人達もよく反省しなさい。

  6. 国際規格の「ビーチバレーコート」なんて、誰が望んでいるのでしょうか?不要です。杉並では保育園や美術館などは、「国際規格」どころか「全国レベル」の施設すら足りていないのが現状です。

  7. 少し前に区長がテレビでふるさと納税のせいで税収が減り、必要な事できないと言っていたばかりなのにビーチバレーって…。無駄な使い方されるならふるさと納税する。

  8. 国際バレーボール連盟の国際大会会場基準を見ると、照明の明るさは基準に全く満たしてないんですけどね。
    基準を満たすっていうけど、その辺を丁寧にチェックしてる人はいるのでしょうか?

  9. 俺は杉並区民で、しかも近所なんですけど、別にいいんじゃない?と思ってる。

    協議人口がすくないスポーツの練習場はあまりないのは事実で、増えるのはいいことだし、砂浜のような施設があれば、ビーチバレー以外でも使えるでしょ?

    オリンピック選手が指導するんだから間違いないものができるし。

    なんかここで怒ってる人とか文句いってる人って関係ない人なんじゃない?

    俺は賛成

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